株式会社ミズカラが運営するキャリアコーチングに関する研究機関『キャリアコーチング研究所』は、20代の若者を対象にWEB調査によるアンケートから「20代のキャリアの悩みに関する調査」を行いました。
【調査概要】
・調査方法:WEB調査
・調査期間:2024年8月15日〜9月30日
・調査パネル:アンケートパネルと定性調査を使用
・居住地:全国
・年齢:20~29歳
・対象:株式会社ミズカラが提供するキャリアコーチングサービスに申し込んだ人
・回答者数:587名
(株式会社ミズカラ調べ Googleフォーム利用の調査)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
※公開データの引用・転載の際は『Career Coaching Lab』のデータであることを明記いただきますようお願い申し上げます。
【運営者情報】
・運営者:村岡 大樹(Muraoka Daiki)
・株式会社ミズカラ CEO。
・合同会社LIMITを立ち上げ、2024年1月に売却。
・創業より、パーソナルコーチングを運営。
・累計2000人が受講したキャリアコーチングサービス「キャリスピ」を運営している。
・累計3社のM&Aを行い、グループ会社として事業拡大中。
・YouTube:アマテラス村岡のCEOラジオ
20代の約40%が苦悩する「自分らしいキャリア形成」|約30%は未来のキャリアを不安視
「今回セッションを受ける目的はなんですか?」という質問では、「自分に合った仕事を見つけたい」という回答が最も多く、21%以上の割合を占めた。
次に多かった回答は「自分の強みや特性を知りたい」であり、17%以上の割合を占めている。このことから、20代がキャリアコーチングセッションを受講する理由は、自分に合った仕事を見つけることや、自分の強みや特性を知りたい人が多いということがわかる。
コーチングセッションを受ける目的の上位2つは、関心のベクトルが仕事や会社単体ではなく、自分自身や自分との相性に向いているものだ。仕事や会社と自分の相性が良いかを重要視している。
20代の受講者は、自分に合った仕事や強みなどを知り、自分らしいキャリアを形成しようとしていることがわかる。
さらに、3位は「キャリアの方向性を明確にしたい」で約17%、4位は「理想状態やGOALを明確にしたい」で約15%と続く。自分のキャリアの方向性や向かうべきGOALが知りたい人が約3割を占めていることがわかる。
回答者を20代前半の人と20代後半に分けると、回答の傾向に違いが見られた。
20代前半の回答者は約26%が「自分に合った仕事を見つけたい」と回答しており、20代後半の回答者の割合と比較すると約6%高い。このことから、20代前半の人は、20代後半の人より、自分と相性のいい仕事を見つけたいという意欲があることがわかる。
20代後半の回答者は、20代前半の回答者と比べて「キャリアの方向性を明確にしたい」「自分の強みや特性を知りたい」「理想状態やGOALを明確にしたい」の順に割合が増えている。その結果、20代前半の回答者がキャリアコーチングセッションを受けた目的は「キャリアの方向性を明確にしたい」より「理想状態やGOALを明確にしたい」の割合が多かったが、20代後半の回答者は「キャリアの方向性を明確にしたい」が「理想状態やGOALを明確にしたい」を上回った。
20代後半の回答者は、20代後半の回答者と比べて、キャリアの方向性や自分の強みなどをより明確にしたいと考えていることがわかる。
また、性別で回答者を分けても、回答結果に差が見られた。
男性は全体と順位は変わらなかったが、女性の順位は以下のようになった。
1位「自分に合った仕事を見つけたい」
2位「キャリアの方向性を明確にしたい」※男性では3位
3位「自分の強みや特性を知りたい」※男性では2位
4位「理想状態やGOALを明確にしたい」
女性は僅差ではあるが、「自分の強みや特性を知りたい」よりも「キャリアの方向性を明確にしたい」という目的の割合が多いことがわかる。
20代は自己理解が不足している自覚がある。目標に向かって、自分軸の選択がしたいと感じる人々
ここまでは、「今回セッションを受ける目的はなんですか?」に対する選択肢回答の割合をみてきたが、ここからは具体的にどのような声があったのかを紹介する。
今回のセッションを受ける目的を詳しく聞いてみると以下のような声が多く寄せられた。
・キャリアの方向性を考えたうえで自分に合った仕事を見つけるため
・得意分野で勝負したいが、何が得意なのかがよく分からない
キャリアコーチングセッションを受講する多くの20代が、キャリアに対して「自分に合った仕事」や「自分の得意分野」など自分軸の選択を希望していることがわかる。
自分に合った仕事や、自分の得意なことを見つけるためにコーチングセッションを受けた人は、自分のことを深く理解する必要性を感じている。
自己理解を深めるためにインターネットで検索したり、自己理解に関する本を読んだりするが、自分だけの力では深い自己理解には至らないため、コーチングのプロに頼ることを選んでいるのだ。
キャリアコーチングを受講し、3ヶ月から1年以内にどんなことを実現したいと思っているかを聞くと、「自分に合っている仕事を見つけて転職する」「自分に合うと思える仕事を見つける」といった自分の適職を見つける目的が多く挙がった。
一方で、「副業で10万円以上稼げるようにしたい」「年収1000万円」といった収入に関する目的も多く見られた。20代の回答者は、自分に合った仕事と高い収入を求めていることがわかる。
「やりがいを持つ」「情熱を持って働く」といった目標を挙げる声もあり、定量的な目標に比べて定性的な目標が漠然としていることがわかる。
「自分は何がしたいのか」に答えられない20代|自己理解の不足が目標達成を妨げている
自分の目標達成を妨げる障害はどのようなものか聞いたところ「自分自身のことが分かっていない」「何をしたいのか、何をするべきかわからない」といった回答があった。
このことから、自己理解が不足していることによる意思決定・自己効力感の欠乏があるため、目標達成ができないと感じていることがわかる。
まとめ
調査の結果から、20代のキャリアコーチングセッションを受講する人は、自分軸のキャリアの選択を望み、キャリアの方向性やGOALを決めたいと考えていることがわかった。
しかし、自己理解が深まっているとはいえず、「自分が本当にやりたいこと」や「自分が強みを発揮できる仕事」を探す傾向が見られた。20代の受講者は、より自分らしいキャリアを選択するために、自分への理解を深めようとしている。