30代の転職はもう遅い？体験談にもとづく失敗しないキャリア形成のコツを解説

「30代の転職は、もう手遅れ？」
「転職したいけど、採用してくれる会社があるか不安…」

この記事では、30代の転職で重視すべき4つの視点と転職を成功させるポイントを、15,000人以上のキャリア相談を受けてきたプロのキャリアコーチが解説します。

この記事を読むと、30代の転職を成功させる方法が分かり、自分の価値を最大限に発揮できるキャリア形成ができるようになります。

体験談にもとづく30代転職で重視すべき4つの視点

30代で転職を考える場合、以下の4つの視点から現状を整理していく必要があります。

本当にやりたいことが明確か

30代の転職では「本当にやりたいこと」を明確にしておくのが大切です。

やりたいことがボンヤリしたままでは、面接で熱意を伝えたり、入社後のミスマッチを防いだりするのが難しくなります。

たとえば「マーケティングがしたい」と抽象的に考えるのではなく「営業経験を活かし、顧客データを分析して製品企画に携わりたい」というように具体的に考えるのが重要です。

自分の強みと情熱が交わる点を見つけられれば、説得力のあるキャリアプランを描けます。

どれほどの給料で満足できるか

自分が理想とするライフプランを実現するため、どれくらいの給料が必要かを具体的に把握しておきましょう。

30代は結婚、出産、住宅購入といったライフイベントが重なりやすい年代であり、必要な生活費も変化していきます。

目先の年収アップに目がくらんで転職してしまうと、後悔する可能性が高いので注意が必要です。

上記の体験談のように「年収」や「ステータス」目的で転職してしまうと、自分が感じている「やりがい」とはズレた職場を選んで、後悔してしまうのです。

一方で、やりがいを優先して収入を下げてしまうと生活が困窮してしまい、必然的に生活レベルを下げなければいけません。

現在の支出や将来に必要な資金を洗い出し、自分にとって「満足できる給料」の最低ラインと理想ラインを設定しておきましょう。

昇進の見込みはあるか

理想的なキャリアパスを形成するため、昇進の見込みがあるかもチェックしておくべきポイントです。

特に30代での転職では、新しい組織でどれだけキャリアアップの可能性があるのかを見極めておくのが重要です。

入社したい会社がある場合、以下のポイントを重点的にチェックしておきましょう。

入社後に自分がどのように貢献し成長できるかを具体的に想像するのが大切です。

プライベートの確保がどれだけできるか

30代の転職では、プライベートをどれだけ確保できるかも重要です。

30代は家族と過ごす時間や自己投資など、仕事以外の時間も非常に重要になる年代だからです。

年間休日や平均残業時間など、事前によく確認しておくのが大切です。

一方で、プライベートを重視しすぎると以下のデメリットも出てきます。

プライベートに重きをおけば、当然「収入アップ」や「昇進」は望めません。

目先の残業時間や休日数だけでなく、人生全体で仕事とどう向き合うかを考える必要があります。

30代が仕事や転職で重視すべき考え方について、以下の動画でくわしく解説しています。

体験談から分かる30代転職の成功ポイント

30代で転職を成功させるポイントは、以下の3つです。

人生で優先させたいことを明確にする

30代で転職を検討する前に、まずは「人生で何を優先したいか」を考えてみましょう。

上記項目をすべて叶えるのは難しいため、優先順位を決めておく必要があります。

株式会社ミズカラのCBPOである島田隆則氏も、自分と向き合った結果、新たなキャリアを切り開いた人物です。

島田氏は、自分自身と向き合った結果、フィットネスに情熱を見出し、副業でパーソナルトレーナーを始めて40万円の収入アップに成功しています。

世間の評価や目先の利益に惑わされず、自分自身の価値観と向き合い、人生において大切にしたいものを優先できる「自分軸」を持ちましょう。

「逃げ」の転職ではないか確認する

転職を検討する前に「今の会社が嫌だから辞めたい」といった「逃げ」の転職になっていないか確認しておくのも重要です。

パワハラなど不当な扱いを受けている場合は別ですが、不満の原因を分析しないまま転職してしまうと、転職先でも同じような問題に直面します。

たとえば、職場に嫌いな人がいるので転職したとしても、転職先でも同じような人に遭遇し、また「転職したい」と思うようになってしまいます。

転職を解決策とするのではなく、どんなタイプの人でも良好な関係を築けるようにする、割り切った人間関係で仕事をするといったスキルの獲得が必要です。

現状から逃げるのではなく、自分から課題を解決していければ、転職せずに自己のスキルアップにもつながります。

課題解決のために行動した結果、それでも改善が見込めなければ、転職を検討するタイミングです。

「逃げ」ではなく、未来の可能性を広げる「攻め」の転職を目指しましょう。

20代で培った経験を棚卸しする

20代で培ってきた経験は、30代の転職活動における最大の武器です。

成功体験だけではなく、失敗体験も含めた今までのキャリアを振り返ってみましょう。

上記例は、株式会社ミズカラCBPOの島田隆則氏の経験です。

単なる業務内容を振り返るのではなく、経験を深く掘り下げて棚卸ししてみましょう。

一見キャリアには関係なさそうな経験の中にこそ、自分の強みとなる核が隠れています。

30代の転職体験談でよくある質問

30代の転職体験談でよくある質問を、以下にまとめました。

30代の転職成功率は？

30代の転職成功率は決して低くはありませんが、年代によって少しずつ変化します。

厚生労働省が発表した「令和5年 雇用動向調査」によると、30代の転職入職率は、以下のとおりです。

【30代〜40代の転職入職率】

スクロールできます

年代	男性	女性
30〜34歳	10.0％	14.2％
35〜39歳	8.5％	12.4％
40〜44歳	6.3％	11.4％
45〜49歳	5.3％	8.9％

参照：厚生労働省「令和5年 雇用動向調査」

特に30代前半は、社会人の基礎体力と今後のポテンシャルを兼ね備えていると評価されやすい傾向にあります。

ただし、年齢が上がるにつれて企業が求めるスキルや経験のレベルも高くなるため、事前にキャリアの棚卸しとキャリアの方向性を確立しておくのが大切です。

転職辞めたほうがいい人の特徴は？

転職を辞めたほうがいい人の特徴は、以下のとおりです。

転職を辞めたほうがいい人の特徴

• 現状から逃げたいだけの人
• 他責思考の人
• 自分の軸が定まっていない人

上記のような人は、転職できたとしても同じ問題に直面して、また転職を繰り返すようになります。

不満の原因を外的要因のせいにせず、自分の努力で現状を変えられないか行動してみるのが大切です。

現状を変える努力をしたうえで、状況が変わらないような場合は転職を検討しましょう。

30代からの転職が難しいのはなぜですか？

30代の転職が難しいとされる主な理由は、企業から求められるものの質が20代とは異なるためです。

20代では若さやポテンシャルが評価される傾向にありますが、30代になると即戦力としての専門性やマネジメント能力を期待されるようになります。

未経験への職種へのチャレンジも、20代に比べるとハードルが上がるのが実情です。

求職者側も給与や役職、勤務地など、家庭の事情も相まって「譲れない条件」が増える傾向にあります。

条件を絞りすぎた結果、応募できる求人の幅が狭まり、転職が難しく感じられてしまうのです。

30歳で転職するのは大丈夫？

30代での転職は、全く問題ありません。

むしろ、キャリアを大きく飛躍させる絶好の機会といえます。

30代は、20代で培った社会人としての基礎スキルと、これからの成長ポテンシャルをバランスよく兼ね備えていると評価されやすい年代です。

前職の経験を活かした転職や、新しい分野での転職へ挑戦できる柔軟性もまだ残されています。

自分のキャリアを振り返り、目指したい分野を見据えてしっかりと準備すれば、30代の転職で大きく飛躍できます。

30代の転職を家族から反対されたらどうする？

30代の転職は、自分一人の問題ではなく、家族の生活にも大きな影響を与えます。

結婚している場合、特にパートナーから反対されるケースが多いです。

家族が反対する理由として、主に以下があげられます。

30代転職を家族から反対される理由

• 収入が減る可能性があるから
• 転職が失敗するかもしれないから
• 家族の生活に影響が出る恐れがあるから

上記のような家族の不安を解消するためには、感情論でぶつかるのではなく、論理的かつ具体的な説明で納得してもらう必要があります。

まずは、なぜ転職したいのかという熱意だけでなく、転職後のキャリアプランや収入の見通しを具体的な数字で示しましょう。

たとえば、転職後の収入シミュレーションや、将来の昇給の可能性、退職金や福利厚生の変化などをまとめた資料を作成して説明するのが効果的です。

家族の理解を得られないまま転職を決行した場合、家族関係にヒビが入る可能性があるため、丁寧に説明して家族の不安を取り除くのが大切です。

まとめ:30代の転職は遅い？体験談にもとづく失敗しないキャリア形成のコツを解説

30代の転職は、決して遅くはありません。

むしろ、20代で得た経験を土台にして、キャリアを再構築できる絶好の機会といえます。

30代の転職で重視すべき視点は、以下のとおりです。

人生において仕事で重視したいポイントを、上記の視点から考えて優先順位をつけましょう。

現状から逃れたいだけの「逃げ」の転職でなければ、自分の価値観にもとづいた理想的なキャリアを築いていけます。

30代の転職で不安を感じる場合は、キャリアコーチングを受けてみるのもおすすめです。

プロのキャリアコーチに相談すれば、自分が気づかなかった願望や価値観に合った仕事を見つけられます。

キャリアコーチングについてくわしくは、以下の動画をご覧ください。