社会人の「4割」は仕事の目標設定をしていない。目標=充実感のモノサシの欠落による「手ごたえ不足」が日本の労働生産性や幸福度の低さのボトルネックに

仕事において自発的に高い目標を設定する人(10人に1人)は、自らの人生にも明確な目標を持つ傾向が明らかに。さらに、人生の目標設定が明確であれば「幸福度」も連動して高くなる傾向があることがわかった。

多くの企業では上期が終わりを迎え、振り返りや反省とともに下半期の行動目標を立てているタイミングではないでしょうか。一言で「期初の目標設定」といっても、単なるお題目なのか全力で達成すべき必達コミットメントなのかによってその意味合いは全く違ってきます。

そこで、人々の「目標設定」に関する実態を明らかにすべく、株式会社ミズカラは25歳~59歳の働く男女500名を対象とした「仕事・人生の目標設定と幸福度の相関」に関する意識・実態調査を行いました。
※本記事に含まれる調査結果は引用・転載可能です。ご掲載頂く際は、必ず『㈱ミズカラ調べ』 と明記の上、参照リンクの設定をお願いします。

目次
松田 皓太 株式会社ミズカラ CEO

経営・マーケ戦略の専門家。銀行、Salesforce社にて従事した後、起業・メディア売却。その後株式会社ミズカラに参画し、CEOとして戦略立案や組織設計を担う。

社会人の「4割」は目標設定せず漠然と働いている

働く社会人500人(パート・アルバイトを除く)に期初の目標設定の実態について聞いてみたところ、目標設定しているのは全体の6割で、残りの4割は目標なしに仕事をしていることが判明。日本人の労働生産性の低さが課題になっていますが、目標もなしに漠然と勤務していれば生産性が上がらないのも当然なのかもしれません。

目標設定のレベル・質も人によって大きくバラつきがあるようで、達成困難な高い目標設定を自発的に行う人が10.6%いる反面、残りは「普通にやっていれば達成可能」な安全ラインを設定する人(20.4%)や会社から降りてくる数値を右から左で目標値として設定する人(12.8%)など受動的な姿勢が目立ちます。逆に言えば、「現状の外側」の高いGOAL設定を自発的に設定するだけで、10人に1人の逸材になれるということでもあります。

\ 「現状の外側」の高いGOALを設定できる

仕事で自発的に高い目標設定をする人ほど、人生の目標設定もクリア

次に、仕事における目標設定レベルと人生設計との相関についても調査したところ、興味深い結果が判明しました。下図の通り、仕事で自発的に高度な目標設定をする人ほど、主体的に自らの人生に対しても明確な目標設定をしており、常に見直しを重ねているようです。逆に会社の目標設定をしていない人はほとんど(83.7%)人生の目標設定もしていません。

仕事で自ら高い目標を設定し、それを夢中で達成することの充実感や手ごたえを知った人は、自然と仕事だけでなく人生全体にも明確な目標を持つようになります。「仕事での挑戦」をきっかけに生きる醍醐味を知ると、次は人生全体を充実させる方向に意識がシフトするということでしょう。ここでもう一つ気になってくるのが、人生の目標設定をした人は実際に充実した人生に切り替わるのか?ということ。それについても調査してみました。

幸福度を上げる鍵は「人生の目標設定」にあり

ハーバード大学が2025年に実施した「幸福度調査」によると、日本人の幸福度は22カ国中最下位。これは労働生産性の低さと並んで日本の国家的課題といえます。特にこれからの国を背負って立つ若年層(20-40代)の幸福度が低いのが気になるところ・・ということなのですが、朗報です。今回の調査の結果、人生の目標設定をしている人は明確に幸福度も高いことがわかりました。

人生の目標設定をしている人の6割は幸福度も高く、特に満点の「10点」と回答した人が13.2%も存在します。人生の目標設定をすることは「何をもって幸せとするか」の尺度を自分の中に設定することでもあります。幸せとは主観的なものなので、同じ事象に出くわしても、そこに幸せを見出せるかどうかで日々の満たされ感は大きく変わってくるということでしょう。

目標設定は幸せの「手ごたえ」を実感するモノサシになる

目標とは、私たちの自由な行動を縛りつける足枷ではなく、日々の「前進」をたしかに実感するためのマイルストーン。「どこに向かうか」を決めなければ、いま自分が進んでいるのか後退しているのかもわからず、到達の歓喜も味わえません。目的地なき漂流生活を脱し、日々の歩みを手ごたえとして実感することそれ自体が「幸せ」の正体であり、その先の目標達成や成功は「ボーナス」のようなもの。

まずは日々向き合うべき「仕事」において、自発的に高い目標を掲げてみましょう。周囲に宣言することで、応援してくれる新たな仲間も出てくるかもしれません。目標設定をするだけで、国家的課題である「労働生産性の低さ」が解決され、同時に「幸福度」も上がる。日本に欠けていたのは目標という「夢」だったといえるのではないでしょうか。

【調査概要】
・調査名:「仕事・人生の目標設定と幸福度の相関」の調査
・調査対象:25~59歳男女・有職者 500名(全国)
・調査期間:2025年8月26日(火)~8月27日(水) 
・調査方法:インターネット調査

\ 仕事を起点に人生全体の目標設定をする

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この記事を書いた人

神保 康介のアバター

コピーライター/外付け編集長/マーケター|広告生まれ、編集育ち|リモートシフトを機に16年間の東京生活に終止符を打ち、淡路島にiターンし独立。◀ベーシック「ferret編集部」で編集長業務&記事広告50本執筆◀カカクコム「キナリノ編集部」で広告部マネジャー/記事広告70本執筆◀DeNA「iemo編集部」で広告制作ディレクター/記事広告50本執筆◀アサツー ディ・ケイ(ADK)でアカウントプランナー◀新卒で上京し、日経社でアカウントプランナー◀関西学院大学 卒業(2004年)

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